二時間の作業の後、穴の底はついに一メートルの深さになり、母屋に向かって掘られた跡がかすかに見えた。
矢崎粟は穴の中に飛び込み、母屋の方向に向かって、側面に円を描いた。「この円を中心に、長さと幅が一メートルのトンネルを掘ってください」
「分かりました!」屈強な男たちが答えた。
岡本棉は穴の外に立ち、夫に向かって言った。「この掘る方向は、位牌が置かれている真下のようですね。もしかして邪霊はそこにいるのでしょうか?」
林保志はため息をつき、「かもしれないね。続けて見てみよう」
一時間後、数人の屈強な男たちが交代で作業を続け、ついに誰かが何かを掘り当てた。
その人は掘り出したものをトンネルから取り出した。
岡本棉は見て、頭を抱えて言った。「また木箱ですね!」
矢崎粟は屈強な男に木箱を渡してもらい、バッグから玉佩を取り出し、木箱の上に宙に浮かせ、呪文を唱え始めた。
しばらくして、彼女は法力を箱に集中させ、「破!」
木箱の封印が一気に解かれた。
箱の蓋が自動的に開き、中のものが露わになった。
林保志たちが木箱の中を覗き込むと、中には白骨が横たわっていた。骨格は小さく、子供のものと思われた。
岡本棉は驚いて数歩後ずさりした。
これは人骨のようで、最上部に頭蓋骨が見えた。まさかこの悪霊は人の遺骨で作られたものなのだろうか?
「皆さん、後ろを向いてください。箱の中を見ないでください」矢崎粟が言った。
言葉が落ちると、全員が後ろを向いた。
矢崎粟は近づき、法器で身を守りながら、ポケットから玉石を取り出して木箱の四隅に置き、簡単な除霊陣法を施した。
この箱の中の浮遊霊は最低一級のもので、力は強くなかった。
もう一週間待っていたら、悪霊が完全に形成された後では、追い払うのは簡単ではなくなっていただろう。
この悪霊は今はまだ浮遊霊で、この箱に封印されており、まだ悪事を働いていない。矢崎粟はそれを殺すつもりはなく、追い払うだけで十分だった。
因果応報、もし浮遊霊が背後の者に復讐しに行くなら、それは彼女の関知するところではない。
矢崎粟は呪文を唱え始め、さらに玉佩を取り出し、玉佩の吉祥の気を箱の中に注入した。
浮遊霊は箱の中に閉じ込められていたが、吉祥の気が箱に注入された瞬間、浮遊霊は瞬時に箱から解放され、遠くへ飛び去った。