604 美緒を守る

矢崎美緒は涙を流しながら、興奮して叫んだ。「いとこ、もう二度と会えないと思っていたわ。私の足に金属プレートが入れられて、すごく痛いの!辛いわ!」

この言葉は嘘ではなく、彼女の涙も本物だった。

小林博は彼女の頭を撫で、目尻の涙を拭いながら言った。「全部わかってるよ!僕が帰ってきたんだから、もう誰も君をいじめることはできない。僕が守ってあげる」

彼は慰めの言葉を何度も掛け、矢崎美緒の感情は徐々に落ち着いていった。

小林博は意図的に子供の頃の楽しい思い出を話題にし、やっと矢崎美緒を笑顔にすることができた。彼は彼女の笑顔を見て、やっと安心した。

こうして1時間以上抱き合っているうちに、病院も再び忙しくなってきた。

小林博は尋ねた。「美緒、お腹すいてない?朝ごはん買ってくるよ!」