653 思い上がり

藤村慎一は、矢崎粟が玄学管理所の人間だとは思ってもみなかった。

だから、彼は心の中で一縷の望みを持ち、逃げ出せる機会があると思っていた。

そして今、藤村慎一は雷に打たれたかのように、目に信じられない表情を浮かべていた。

矢崎粟は胸を組み、口角に薄い笑みを浮かべていた。

藤村慎一は尋ねた。「矢崎粟、本当に俺を玄学管理所に連れて行くのか?俺はお前の役に立てるはずだ、きっと使い道があるはずだ!」

彼は牢獄に入れられたくなかった。

矢崎粟は少し笑って、「どう思う?ここまで来たからには、捕まる覚悟はできているはずよ」

そう言うと、彼女の表情が変わり、手を振って法器から凶気を引き出した。

凶気は一気に藤村慎一に向かって攻撃を仕掛けた。

藤村慎一は体が冷たくなるのを感じ、何かの力が骨髄に染み込み、その場で動けなくなった。