651 正義を取り戻す

藤村敦史の実力はより強く、大円満に到達していない矢崎粟であれば、必ず彼の相手にはならなかったはずで、背後の人物は他人を利用して殺すことができた。

たとえ矢崎粟が殺されても、犯人は藤村敦史に特定され、背後の人物は嫌疑を逃れることができた。

今や矢崎粟は大円満に到達し、実力は非常に強い。

藤村慎一が来たからには、彼女は必ず藤村敦史の別の弟子を打ち負かし、避けられずに再び藤村敦史と対峙することになる。

彼女は藤村敦史を恐れてはいないが、対峙すれば怪我をする可能性がある。

最善の解決策は前後の因果関係を説明し、藤村慎一にも背後の人物の意図を理解させ、二人で真の仇を見つけることだ。

矢崎粟の話を聞き終えた藤村慎一は唇を強く噛み、目つきは険しかった。

彼は愚かではなく、もちろん矢崎粟の意図を理解し、同様に矢崎粟の言葉が真実だと分かっていた。