再び独房に戻った澤蘭子は、涙も出ない有様だった。
彼女はゆっくりと地面に座り込み、目の前の小さな独房を虚ろな目で見つめた。布団は床に投げ捨てられ、その上には足跡と埃が付いていた。コップは隅に転がり、机も倒れていた。
これが彼女の今後三年間の生活なのだろうか?
澤蘭子の判決が下された後、原東は特別監獄に速やかに連絡を取り、一日のうちに澤蘭子を移送させた。
彼は矢崎粟に電話をかけた。「矢崎さん、矢野夫人は相応しい場所に収容されました。安心してください。残りの件については、時間のある時に相談しましょう。」
「分かりました。」
二人は翌日、原東のオフィスで会う約束をした。
会った後、矢崎粟は椅子に座って言った。「時期を考えると、近々二つの注意すべき事があります。一つ目は藤村慎一の保護です。彼が口封じに遭わないよう守る必要があります。」
藤村慎一は大呪術師と背後の人物との争いを引き起こした重要な人物で、殺されてはならなかった。
原東は頷いた。「分かりました。既に手配済みです。おそらく奴らは今夜にも動くでしょう。」
彼の予感は常に的中していた。
何度も、この予感のおかげで命拾いをしてきたのだ。
矢崎粟は続けた。「分かりました。把握されているなら結構です。二つ目は川上孝史たちが間もなく目覚めることです。二人の見張りは続けなければなりませんが、あまり目立たないようにする必要があります。」
もし背後の人物が狂気に走って、病室で手を下すようなことがあれば。
それこそ取り返しがつかなくなる。
彼女は川上孝史と鈴村薫から背後の人物についてより多くの情報を得たいと思っていた。この二人は絶対に死なせるわけにはいかなかった。
原東はそれを聞いて驚いて立ち上がり、口を大きく開けた。
すぐに自分の失態に気付き、また座り直した。「目覚めるんですか?それは良かった。彼らが昏睡している間、彼らの能力がいかに重要かを実感しました。」
この期間、彼と三班の班長で何とか持ちこたえていた。
二人が交代で指揮を執り、部下たちを率いて任務を遂行していた。
一班二班にも班長を務められる者はいたが、両班の隊員たちは皆、班長が目覚めるのを待っており、新しい班長を立てることを望まなかった。
第一部にとって、これは本当に良いニュースだった。
矢崎粟は頷いた。