矢崎粟は治療符を取り出し、藤村慎一の心臓の位置に貼り付け、活性化させて心臓の機能を一時的に維持させた。
この符は三時間しか持たない。
三時間以内に藤村慎一の心臓手術を行わなければ、彼は刺し傷で死んでしまうだろう。
「大丈夫か?」原東は藤村慎一の体を支えながら尋ねた。
藤村慎一は掠れた声で言った。「今回は本当に死ぬかと思った。一番危険な時に、矢崎粟がくれた法器が効いてくれなかったら、今頃生きていなかったよ。」
彼は今でも恐ろしさが残っていた。
彼もまた、あの者の残忍さに恐怖を感じていた。
藤村慎一はあの者と協力関係だと思っていたが、まさかあの者が一流の殺し屋を送って自分を殺そうとするとは。鈴木貴志は彼が邪気に当たったのを見て、とどめを刺そうとまでした。
これは、あの者が本当に彼を生かしておく気がなかったことの証明だった。