矢崎粟はようやくほっと息をついた。
雷の試練はもうすぐ終わり、先輩の秘術も終わりに近づいているはずだ。
その時、矢崎粟は地面から突然強烈な邪気の柱が天に向かって立ち上るのを目にした。
眉をひそめながら源を探ると、それは道家協会の中にあることがわかった。
まずい!先輩が危険だ。
この邪気の柱は雷の試練を強化する最高の補助で、昔から昇天しようとする者を害するためによく使われていた。
邪気の柱が雷雲に吸収されると、雷と混ざり合う。
空からは邪気を帯びた雷が降り注ぐ。
この時、試練を受ける者は雷の打撃に耐えるだけでなく、体内の法力で邪気を防がなければならない。
少しでも油断すれば、邪気が体内に入り込んでしまう。
もし邪気が体内に入ってしまえば、すべては手遅れだ。運良く雷の試練を乗り越えても、不運と病に苦しみ、以前の境地には二度と達することはできない。
中には邪気の攻撃によってその場で命を落とす者もいる。
矢崎粟は体中がしびれ、目が据わった。
彼女は突然、ある事実に気付いた。
これまで中華街は牢獄だと思っていた。先輩が中華街に囚われ、互いに縛り合い、自由を失っているのだと。
先輩は中華街を完全に支配している。
そして彼もまた中華街に縛られ、永遠に中華街を離れることができない。
しかし、そうではなかったのだ。
おそらく当時、先輩が中華街と結びついた時、彼は自由を失ってはいなかった。
先輩が眠りについている間に、誰かが偶然に彼の秘密を発見し、不老不死の能力を知って、禁術で彼を中華街に閉じ込めたのだ。
その人物は必ず道家協会と関係がある!
その人物の真の目的は一体何だったのか?
矢崎粟はそう考えると、さらに表情が暗くなった。
考えている暇はない。すぐに法力でセプターを作り出し、邪気の柱に向かって打ち込んだ。
もし邪気の柱が天に届けば、先輩の秘術は必ず失敗する。
セプターの中のエネルギーは猛烈な速さで邪気の柱に向かい、空中で邪気の柱を断ち切った。
暗がりの中の何者かが再び邪気を送り込み、邪気の柱が再び徐々に立ち上がった。
矢崎粟は小蛇を取り出し、邪気を吸収させた。
蔓も地面に根を張り、枝の形で邪気を吸収していた。