中庭にて。
矢崎粟はセプターを強く握り締め、両足が震え始め、両目も真っ赤になっていた。
彼女の体内の法力はすでに大半を失っており、法力で邪気と対抗するのは本当に困難で、邪気を抑制するには多くの法力が必要だった。
霊石を持っていても、補充が間に合わない。
テーブルの上の法器は、あまりにも多くの邪気を吸収したため、もう動作が停止しそうだった。
小蛇と蔓も地面に倒れ込み、体が一回り膨れ上がり、もう吸収できない状態だった。
彼らは皆、精一杯頑張った。
このまま無理を続ければ、体が爆発してしまうかもしれない。
矢崎粟は密かに思った。先輩が頑張って早く秘術を完成させ、中華街を取り戻してくれることを願う。そうでなければ、彼女も法力不足で気を失ってしまうだろう。
しばらくすると、その邪気の柱がまた一回り太くなり、空へと向かっていった。
矢崎粟は疲れ果てて、テーブルに手をついて、大きく息を切らしていた。
彼女は精一杯頑張った。あとは先輩の運次第だ。
山頂にて。
万物が静寂に包まれ、藤田川は独特な状態に没入していた。
しばらくして、彼は目を開け、山の下を見下ろすと、明らかにその邪気の柱が空へと突き刺さっていくのが見えた。
その中には極度の危険が潜んでいた。
もし秘術が失敗すれば、彼はこの世界から永遠に消えることになるだろう。
彼はもちろん諦めきれず、最後の段階を続けていた。
数秒後、藤田川は体中が暖かくなり、法力も回復し、中華街との不思議なつながりを感じ、意識の海に一つの街が現れた。
彼が細かく見ると、それは中華街だった!
つまり、これからは彼が名実ともに中華街の城主となり、中華街を動かす能力を持つということだ。
そして、その邪気の柱は、すでに藤田川の目の前まで広がっていた。
藤田川は邪気の柱を見つめ、体内の法力を動員して、邪気の柱に向かって力強く一撃を放った。「押さえろ!」
彼は柱を下方へと押し込んだ。
邪気は主人に向かって攻撃してくる。もし本当に攻撃を受けたら、死なないまでも半死半生になるだろう。
邪気は瞬時に消えた。
この瞬間、中華街全体の暗雲が散り、空は晴れ渡り、そよ風が地面の雨を乾かし、まるで雨が降ったことなどなかったかのようだった。
藤田川は立ち上がり、山下を見下ろして、「成功した!」と叫んだ。
中庭にて。