739 無事帰還

矢崎粟は中庭で待っていた。

小道士は門の方を見つめていた。

矢崎粟は言った。「安心して、あなたの師匠は成功したわ。今は中華街の中で誰も彼を傷つけることはできないわ」

そう言いながらも、藤田川が戻ってこないので、彼女も心配だった。

最後の一歩で問題が起きたら、それこそ大損だ。

矢崎粟は師兄を迎えに行きたい気持ちが湧いてきたが、師兄に留まるように言われたことを思い出し、動かなかった。

一方。

藤田川は山を下り、まず別の屋敷で服を着替えてから、道家協会に戻った。

しばらくして、彼は中庭に入ってきた。

彼は感謝の表情で言った。「粟、今回君が助けてくれなかったら、私は消滅していたかもしれない。ありがとう!」

あの時、彼の法力はほぼ尽きかけていて、矢崎粟が邪気の柱を止めていなければ、秘術を完成させることはできなかっただろう。