矢崎粟は平然と言った。「奴は毒虫を籠に入れて人を害そうとしていた。私は玄学管理所の者だから、人を捕まえるのは当然のことよ。まさか私が奴を放すべきだと思っているの?」
そんなことがあり得るだろうか?彼女がそんなに優しい人間だったのか?
「それでも玄学管理所に送るべきではなかった。あなたが奴を閉じ込めておけば、私が来て懲らしめていたはずだ。矢崎さんに手を煩わせる必要はなかった」藤村敦史は非難の眼差しを向けた。
玄学管理所に捕まっていなければ、弟子もこんな危険な目に遭うことはなかったのだ。
彼の心には当然、不満が募っていた。
矢崎粟は眉を上げ、軽く笑った。「そう言うなら、私が悪かったということね」
彼女は彼がこれほど理不尽だとは思っていなかった。
彼が事を荒立てたいなら、彼女も恐れることはない。