これが澄夫が黙って去った理由なのか?
本当に家族に連れ戻されたのだろうか?
矢崎粟は眉をひそめたまま、どうして彼女に一言も言わなかったのだろうと思った。
何かがおかしいと感じていた。
矢崎粟は頷いて、「無事に帰れて良かったです。今はどんな様子ですか?」と尋ねた。
山本紀夫は即座に答えた。「家に着いた夜から高熱を出して、昨日やっと下がったんです。まだ体調が戻っていなければ、必ず一緒に連れてきて御礼を言わせたかったのですが。」
矢崎粟は淡々と言った。「構いません。私は何もしていませんから。」
山本紀夫は手に持っていた物を置いて、「これらは必ず受け取ってください。私たちの気持ちです。」と言った。
彼は大小の包みを全てテーブルの上に置いた。
矢崎粟が口を開く前に、岡田鈴音が言った。「受け取ってください。受け取っていただかないと私たちも心配で。実は、子供を見つけてから、あなたのことを少し調べさせていただいて、あなたがそれほど凄腕の玄学師だと知りました。これらは全て玄学師の方にお使いいただけるものです。」