750 災いを転じて福となす

藤田川は矢崎粟の眉間に寄せられた皺を見て、慰めるように言った。「図面は玄学管理所に渡すだけでいい。他のことは気にしなくていい。それはあなたが心配することじゃない。その人は恐らくあなたを通じて玄学管理所と繋がりを持とうとしているんだろう」

矢崎粟は頷いて、「はい、分かりました。この図面は先輩のところで保管しておいてください。必要な時に、また取りに来ます」と言った。

「いいよ!」藤田川は快く同意した。

矢崎粟が自分を頼ってくれることに、彼は嬉しく思った。

二人が背後にいる人物の策略について話し合っていると、矢崎粟は突然何かを思い出したように急いで言った。「先輩、急に思い出したことがあります!」

「言ってごらん」藤田川は頷いた。

矢崎粟は真剣な表情で話し始めた。「工匠一族の子供を助けた夜、彼は病室から姿を消してしまいました。枕の下に一枚の紙切れを見つけたんですが、そこに書かれていた言葉が少し変でした。先輩に伝えるのを忘れていました」