「はははは……」
藤村敦史は涙が出るほど笑った。「森村邦夫の本命玉を爆破させた。奴はもう長くは生きられない。ついに復讐を果たしたぞ!」
笑いながら、藤村敦史は血を吐き出した。
その後、彼の目や鼻、耳からも血が流れ出し、まるで死にそうなほど衰弱していった。
毒虫とかかしには藤村敦史の精血が込められており、この二つが自爆することは自殺同然で、藤村敦史にも重傷を負わせることとなった。
藤村隼人は驚いて、慌てて父を抱きしめた。「父さん、怪我の具合は?」
彼も呪術を学んでいたため、父の行動がいかに狂気的なものだったかを理解していた。
しかし、止めることはできなかった。
藤村敦史は真っ青な顔で、生気が完全に失われていた。「息子よ、早く南西部族に連れて帰ってくれ。秘境に入らねば、三日以内に死んでしまう」
藤村隼人は足がガクガクになるほど驚いた。
彼は急いで父を抱き上げ、数人の玄学師を呼んで逃げ出した。
彼らが去った後、鈴村薫は一隊の部下を率いて暗がりから現れ、冷たい声で命じた。「捜索を開始しろ。必ずや彼らの遺体を見つけ出せ!」
玄学管理所では毎年何人もの玄学師が犠牲になっていた。
彼女はずっとこれらの玄学師が誰かの大物に殺されたのではないかと疑っていたが、証拠がなかった。去年になってようやく、ある玄学師の追跡装置が青雲院付近で反応していることを突き止め、鈴村薫は森村邦夫に目をつけた。
今回の来訪は、森村邦夫の犯罪の証拠を集めるだけでなく、彼の悪事を世間に暴露するためでもあった。
鈴村薫の一隊は早くから藤村敦史たちの暴挙に気付いていた。
しかし彼らは介入しなかった。藤村敦史に先陣を切らせることで、玄学管理所の労力を節約できると考えたからだ。
藤村敦史たちが逃げ出すのを見ても、鈴村薫は止めようとはしなかった。
藤村敦史は呪術師の里のリーダーであり、もし中華街で死んでしまえば、必ずや新たな血で血を洗う抗争が起きることになる。それは玄学管理所としても望まないことだった。
藤村敦史を逃がす方が良かった。
鈴村薫は藤村敦史たちが南西地方に戻った後で、呪術師の里と交渉し、青雲院への賠償を求めるつもりだった。
結局、先ほどの藤村敦史たちの青雲院での騒動は、全て玄学管理所の執行記録カメラに収められており、呪術師の里が言い逃れすることは不可能だった。