786 束縛

彼女は玄学界に銃器による規制を設けることに、それほど抵抗はなかった。規制がなければ、異能力を持つ者たちが人を殺すことを好き勝手にし、自分が人より優れていると思い込むだろう。

呪術師の藤村邦夫のように、彼の目には一般人の命が草のように軽いものだった。

武器による抑制がなければ、このような人間は畏れを知ることはないだろう。

矢崎粟は規制を恐れず、悪意も持っていないため、当然社会がより平和になることを望んでいる。

森村邦夫のような悪意を持つ者だけが、武器による規制を恐れるのだ。

「お前は甘すぎる。もし玄学管理所がお前を攻撃するようなことになったらどうする?」森村邦夫は重々しく言った。

矢崎粟は首を振って、「なぜ私を攻撃するの?私はもともと玄学管理所の一員よ。彼らがなぜ自分たちのメンバーに銃を向けるの?」

彼女は武器の製作において大きな役割を果たしていた。

彼女の行動は上層部に対して、私心がなく、銃器による規制も恐れていないという、一種の告白と忠誠の証明だった。

彼女と藤田師兄の実力は、すでに玄学界でかなり高い境地に達していた。

規制がなければ、おそらく国家も安心できないだろう。

彼女のこの行動は、様子見をしている玄学師たちに警鐘を鳴らすものでもあった。我が国において最も強大なのは国家であり、道家協会ではないということを。

国家の法律法規を遵守し、むやみに人を傷つけてはいけない。

森村邦夫は彼女がまだ理解していないのを見て、さらに徹底的に説明した。「玄学管理所の人間が皆善人だという保証はどこにある?もしお前を消したい者がいれば、理由なんて必要ないんだぞ!」

この娘はまだ分からないのか?

このような武器を発明してしまえば、それは玄学師の頭上に吊るされた剣となるのだ。

矢崎粟は躊躇なく言った。「私は国家を信じているわ。正義も信じている。あなたのような悪事を重ねた人には分からないでしょうね。」

矢崎粟はさらに笑いながら続けた。「あなたはただ自分のことしか考えていないだけよ。あなたたちのような法律を無視することに慣れた人たちは、自分を高く見すぎて、規制されたくないだけ。」

彼女は当然森村邦夫の考えを理解していた。

森村邦夫はあれほど多くの悪事を働き、多くの人々を傷つけたのだから、当然罰を受けるべきだ。

罰しないことこそ不公平だろう。