「あなたじゃないの?」矢崎美緒は躊躇いながら尋ねた。
彼女の心の中で半分ほど信じていた。結局のところ、彼女を暴露することは安藤昭にとってもあまり利点がないのだから。
安藤昭はいらだたしげに言った。「お前が困ることで俺が喜ぶとでも思ってるのか?」
矢崎美緒は考えて、それももっともだと思った。「じゃあ、教えて。私たち二人のチャット履歴を、あのゴシップサイトはどうやって手に入れたの?」
答えが得られなければ、安藤昭への疑いは晴れないままだ。
安藤昭は冷笑して言った。「俺の推測だが、誰かがハッキング技術を使って俺たち二人の携帯に侵入したんだろう。そうでなければ、お前と実母との写真があんなにたくさん同時に流出するはずがない」
ハッカーは安藤昭の携帯からチャット履歴を、矢崎美緒の携帯から写真を入手したのだ。