外に出たものの、矢崎美緒はどこへ行けばいいのか分からなかった。
世界はこんなにも広いのに、彼女の居場所がどこにもないような気がした。ホテルに泊まるにしてもお金がない。
どうすればいいのだろう?路頭に迷うしかないのだろうか?
矢崎美緒は考えれば考えるほど悲しくなり、目が赤くなってきた。
小林美登里のところには絶対に戻れない。もし自分から行けば、殴られるかもしれない。
本田家の者のところにも行けない。
本田家の親戚たちは彼女の身から肉を一枚剥ぎ取りたいほど憎んでいる。
この二つのグループに見つからないように隠れなければならない。
矢崎美緒は長い間考えた末、彼女を助けてくれるかもしれない人を思いついた。それは小林博だった。
彼は従兄で、以前は彼女をとても可愛がってくれていた。