「何ですって?」
小林美登里はコップを乱暴にテーブルに叩きつけ、怒りに満ちた表情を浮かべた。
竜田おばさんの言うことが本当なら、自分は馬鹿だ。矢崎美緒に騙された馬鹿だ。
小林美登里は携帯を見ようとしたが、矢崎美緒に壊されたままで修理に出していないことを思い出した。
小林美登里は竜田おばさんの携帯を借り、トレンドを開くと、矢崎美緒に関する芸能ニュースがいくつも並んでいた。
トップは矢崎美緒がホテルで二人の男性と密会していたというものだった。
次は矢崎美緒と安藤昭のチャット履歴。
三番目は矢崎美緒が実母のために弁護士を雇ったというニュース。
小林美登里は考える間もなく、一番目のニュースをタップした。
開いてみると、このニュースは今日の昼に配信されたもので、写真には椅子に縛り付けられモザイクをかけられた矢崎美緒が写っていた。
他に二人の男性の写真もあった。
一人目の男性は老人のような外見で、とても醜く、背が低くて太っていた。
コメント欄は罵声の嵐だった。
【矢崎美緒はAV女優になりたいの?】
【矢崎美緒は芸能界から出て行け】
【業界のイメージを台無しにした、下品!】
【よくもまあ、こんな醜い男たちと関係を持てたものね】
【これが矢崎家のしつけよ!】
【醜い者の仕業ね】
【矢崎美緒はどんどん老けていくのに、まだ人を騙し続けて、まさに社会の毒だわ】
【もう二度と矢崎美緒をトレンドで見たくないわ、縁起でもない!】
小林美登里は怒りのあまり、拳でテーブルを叩いた。
矢崎美緒よ矢崎美緒、こんな過ちを犯して、矢崎家全体に迷惑をかけて。
本当に不孝な娘だわ!
小林美登里は矢崎美緒が帰ってきたら必ず追い出そうと考えていた。
次のトレンドを開くと、矢崎美緒と安藤昭のチャット履歴が目に入り、胸が痛くなった。
末期病というのも嘘だったのだ。
許せない。
「末期病も嘘だったなんて、私は彼女を信じすぎた。まさかあの子に騙されるなんて」小林美登里は胸が痛くなり、顔が真っ白になって、息もできないほどだった。
どうしてこの養母にこんなことができるの?
六百万円も渡したのに。
竜田おばさんは急いで小林美登里の背後に回り、背中をさすりながら、「奥様、全て矢崎美緒が悪いんです。お体を壊さないでください、そんな価値はありません」