860 部族へ向かう

矢崎粟はちょうど時間があり、南西部族に行って呪術師の一族を訪ね、大呪術師の藤村敦史の怪我の回復状態を確認したいと思っていた。

別荘に戻ってから。

矢崎粟が自分の考えを話すと、部屋にいた数人はそれぞれ異なる表情を見せた。

藤田川は落ち着いて言った。「私は東京に長く滞在していたので、もともとあなたの撮影の間に旅をしようと思っていました。今あなたも行くなら、一緒に行きましょう!」

「いいね、二人で一緒に行こう」矢崎粟は頷いて言った。

傍らの小島一馬は少し考えて、「私も行けます。この後は広告の撮影だけなので、なるべく仕事を前倒しにして、一緒に行きましょう!」

この二人は玄学の実力は強いものの。

もし困ったことになっても、現地の政府が全力で救援してくれるとは限らない。

もし彼がいれば、小島家の影響力があるため、誰も見て見ぬふりはできず、それだけでも保証が一つ増える。

矢崎粟は頷いて、「あなたが行けるなら、それが一番いいです」

人数が増えれば、より旅行らしくなる。

矢野朱里は苦笑いを浮かべ、「皆さん行ってください。私は矢野家を引き継いだばかりで、まだ離れられません。東京にいるしかないです」

天知る、彼女がどれほど行きたがっているか。

粟と藤田大師と一緒に旅行できるなんて、なんて素晴らしい機会だろう。しかも安全の心配もない。

「今回は危険があるかもしれないから、東京にいた方がいいわ」矢崎粟は言った。

彼女は工匠の里に何か違和感を感じていた。

このまま行くのは危険かもしれない。やはり東京の方が安全だ。

矢野朱里は頷いて、「いつ出発するの?見送りに行くわ」

彼女は本当に三人が行ってしまうのが寂しかった。

この頃、仕事が終わるとすぐに藤田大師のお菓子を食べに来て、時々バーベキューをして、みんなで談笑するのがとても楽しかった。

この三人がいなくなったら、どれほど退屈になるか想像もできない。

矢崎粟は少し考えて、「明後日かな?どう?」

小島一馬は頷いて、「問題ありません」

最悪、明日一日で広告撮影を終わらせればいい。

藤田川も頷いて、「いいですね、じゃあまずチケットを買いましょう」

……

すぐに出発の日が来た。

三人は飛行機に乗り、座席を探した。