859 見物

小林瑞貴は眉をひそめて、「嘘をつくのはやめなさい。私は全部聞いたわ。矢崎美緒の両親が矢崎粟を連れ去ったのよ。矢崎美緒は私たち小林家の敵だし、それに、矢崎美緒には不運がついているのに、あなたはまだ彼女に関わろうとするなんて、本当に大胆ね」

小林博は笑って言った。「小林家はもう叔母さんと縁を切ったじゃないか。矢崎美緒の両親は矢崎家の敵であって、私たち小林家とは何の関係もない。それに、私たちは矢崎美緒とこれまで付き合ってきたんだから、彼女を刑務所に入れるのを見過ごすわけにはいかないだろう?」

彼はただ吉野家を手に入れたいだけだった。

しかし小林博は本心を明かすことはなかった。彼はそれほど愚かではなかった。

小林瑞貴は目を転がして、呆れて言った。「まあ、好きにすればいい。もし何か問題が起きても、従兄として警告しなかったとは言わせないよ」