その聖血が今まで生き延びているということは、きっと多くの幼い子供たちを殺してきたのだろう。
小島一馬は「南鹰という名前をどこかで聞いたことがある気がする」と言った。
山本風尾は言った。「彼らの計画を知っています。今回彼らは百人を捕まえました。きっと岡田鈴音が矢崎粟に、山本紀夫が小島一馬に、そして門主が藤田大師に憑依しようとしているのでしょう。そうすれば南鹰派の力は大幅に増すことになります。」
矢崎粟は尋ねた。「いつ頃からこの人たちがおかしいと気付いたの?」
「約一ヶ月前です」山本風尾は少し考えてから言った。「その時、部族の人々が物忘れがひどくなり、やるべきことを忘れてしまうようになりました。私も疑いましたが、調査させたところ、これらの人々の身元は全て確認できました。」
彼はその時、気にも留めなかった。
まさか、これらの人々が憑依されていたとは。
矢崎粟は澄夫を見て、「あなたの知っていることを、全て私たちに話してくれませんか?」と言った。
全員の視線が澄夫に集中した。
澄夫は少し躊躇して、「私は...」
彼は話すべきかどうか迷っていた。
もしこの人たちが南鹰派の人々と同じように、自分の能力を奪おうとしているのだとしたら大変なことになる。
藤田川は澄夫を見て、「君には未来を予知する能力があることは知っている」と言った。
「どうしてそれを?」澄夫は驚いた表情で藤田川を見つめた。
藤田川は微笑んで、「以前、君と同じような人を見たことがあるからだ。君の様子が彼とそっくりだった。君たちは同じ種類の人間なんだ」と言った。
南鹰派の人々が澄夫を捕まえたのは、きっと彼のこの能力が必要だったからだ。
「もし私の推測が間違っていなければ、君は以前誰かに憑依されたことがあるはずだ」と藤田川はゆっくりと言った。
澄夫は顔を強張らせ、再び驚いて尋ねた。「あなたは本当に神様なんですか?」
藤田川は首を振り、澄夫の目尻を指さした。「憑依された人は皆、目尻にほくろのような印が残る。君の印は薄いけれど、見えるよ」
澄夫は頷いた。「はい、私には未来を予知する能力があります。これから何が起こるのかわかります」
この言葉を聞いて、山本風尾も驚いた。
山本風尾は急いで尋ねた。「では、私たちの部落は今回の災難を逃れることができるのですか?」
澄夫は首を振った。