第5章 空間出現

景雲昭は一家を深く見つめ、冷笑いを浮かべながら、父娘の横を通り過ぎた。

「どこへ行く！」喬尉民は不機嫌そうに彼女の腕を掴んで言った。

「お父さんがお粥を飲めって言ったでしょう？飲めばいいんでしょう！」景雲昭は冷たく言い、喬尉民の手を振り払って自分の部屋に戻り、既に冷めていた甘いお粥を一気に飲み干した。

お腹を壊すだけで、死ぬことはない。それに明後日には、たとえ力が残っていなくても、約束通り試験を受けに行くつもりだった！

「本当に性根の腐った奴だ。一日三回殴られて当然だ！」喬尉民は満足げに彼女を一瞥し、ソファーに戻ってテレビを見続けた。喬紅葉は謝罪しようとして近づいてきたが、彼女が部屋に入る前に、景雲昭は「バタン」と音を立てて扉を閉め、鍵をかけた。

体を震わせながら、目には憎しみが満ちていた。

彼女はあまりにも弱かった。今の状況では、復讐はおろか、自分の身を守ることさえ難しかった！

景雲昭は深いため息をつき、ベッドの端に座って、首から下げていた玉を取り出した。

この玉は幼い頃から身につけていたもので、デザインはシンプルで、ただの小さな瓢箪に過ぎなかった。瓢箪の底には「景」の文字が刻まれており、かなり古いものに見えた。

本来なら喬家の人々に奪われているはずのものだったが、後に喬紅葉から聞いた話では、当時の占い師がこの玉には霊性があり、幼い頃から身につけていた玉は彼女の煞気を抑制できると言ったそうだ。もしこれを失えば、喬紅葉と喬子州の煞気を防ぐどころか、周りの人々に災いをもたらす可能性があるとのことだった。

もしこのような言葉がなければ、この品は既に葉琴と喬尉民によって売り払われていただろう。

景雲昭はこの玉瓢箪を見つめ、しばし物思いに耽り、実の両親に対して幾ばくかの疑念を抱いたが、すぐに自嘲的な笑みを浮かべた。

もし実の両親が本当に彼女のことを気にかけていたのなら、彼女を捨てて放っておくことはなかったはずだ。

玉瓢箪を服の中に戻そうとした時、突然頭に激痛が走った。何かが剥がれ落ちるような感覚に襲われ、頭を抱えながら苦しそうにもがいていたが、その痛みはすぐに消えた。

ふと顔を上げると、周りの景色がすっかり変わっていた。

「ここはどこ？」景雲昭は驚愕した。

周りは濃い霧に包まれ、傍らには古い井戸があった。井戸の側には龍の頭の石像が立っており、龍の口からは青い水流が吐き出されていた。それは井戸の水のようだった。

「わしは長年待ち続けた。ようやく後継者が現れた……」虚空から、老人の声が響いてきた。

景雲昭の心臓がドクンと跳ねた。「誰だっ！？」

「小娘よ、恐れることはない。お前の後ろにある石卓の円盤を開けば、わしに会えるであろう」老人は再び言った。

景雲昭は今や極度の恐怖を感じていたが、確かにその声は慈愛に満ちていた。そして不思議なことに、この奇妙な場所に対して、まるで以前から知っているかのような親近感を覚えた。

何かに導かれるように後ろの石卓に向かった。卓は大きくなく、奇妙な模様が刻まれており、中央には確かに回転できる円盤があった。景雲昭は深く息を吸い、手を伸ばして円盤を一回転させた。

すると突然、円盤の上空に一筋の幻影が浮かび上がり、景雲昭を驚かせた。

その幻影は仙人のような風格があり、非常に温和な様子だった。「お爺さま、あなたは……」

「お前がこの玉壺空間に入れたということは、お前が我が景鶴の末裔であることの証だ。娘よ、お前の名は何という？」その人物は景雲昭を審査するように見つめながら尋ねた。