第61章 突然の事故

蔣夏はこの時、自分が寛容で謙虚で、仲裁者としての役割を果たしたと感じていたが、葉青はそれを聞いて、顔色が赤から白に変わった。

彼女が怒っていたのは、景雲昭が食べ残しの料理を送ってきたからだけではなく、その料理の価値のためだった！

一皿の料理が彼女のテーブルの料理全体と同じ値段で、今さら彼女にも二人分注文しろと？そんなお金どこにあるというの！

そして今回の誕生日に、両親に長い間頼んでようやく五百元もらえたけど、そのお金じゃ足りない？仕方なく、以前の誕生日に両親からもらった金の装飾品を売って、自分に綺麗な服を数着買い、残ったお金は客を招待する食事代にしかならなかった。

「蔣夏、もういいわ。私たちは乞食じゃないわ。みんながここに来たのは、この食事が目当てじゃなくて、彼女に人情を示すためよ。でも、こんなに人をいじめるなんて思わなかった。もうこれ以上ここにいたくないから、帰るわ！」スープを全身に浴びた女子学生が立ち上がり、上着を取って出ようとした。

しかし葉青は焦った。この女子学生が先頭を切れば、他の人が座っていられるはずがない？彼女はもっと恥をかくことになる！？

すぐさま前に出て止めた：「帰らないで！」

「足は私のものよ、あなたに何の権利があって私を止めるの！」女子学生は葉青の手を振り払い、目を見開いて怒鳴った。

その女子学生は楊甜甜という名で、以前は葉青とも仲が良かった。でも以前の葉青はみんなにこんな態度ではなかった。それに、今日は葉青の誕生日を祝うために、わざわざ新しい服に着替えて、葉青の面子を立て、自分も恥をかきたくなかったのに。なのに葉青ときたら、スープをかけて、この新しい服を台無しにした。家に帰ったら両親にどんなに叱られるかわからない！

「絶対に帰らせないわ！さっき食べた物は全部私が買ったのよ！あなたは私の言うことを聞かなきゃダメ！」葉青は理不尽な言い争いを始めた。

楊甜甜は顔を真っ赤にして：「月曜日にお金を返すから、今すぐどいて！」

「あなたこそどきなさい！お金が返せないなら素直に言いなさいよ。ワンワン吠えて時間を引き延ばして癇癪を起こすなんて、何の能がある！」葉青はさらに怒り、この怒りが爆発して、二人は身体接触を避けられなくなった。