第60章 独りよがり

葉青は目が赤くなり、最初に事を起こしたのが誰だったかを完全に忘れたかのように、その高価な残り物の料理を見つめ、嫉妬心を抑えられなかった。

景雲昭なんて親のいない野良っ子じゃないの？どうして彼女をこんなに侮辱できるの？！

「葉青、もうやめなよ。最初に残り物を持って行ったのは私たちだよ……」隣にいた女子学生が見かねて、注意を促した。

葉青は学習委員で、普段は物腰柔らかく、性格も良かったのに、最近こんなに変わってしまい、特に今は、大勢の前で一皿の料理のために大声で叫んでいて、まるで野蛮な女のように、恥ずかしい限りだった。

十五、六歳という年頃で、みんな面子を気にする時期なのに、葉青のこんな騒ぎ方を誰が我慢できるだろうか？

「私が先に持って行ったからって何？私の料理はまだたくさん残ってたでしょ！彼女のは？！料理の中身は全部食べられて、汚らしいじゃない！あなたが彼女の味方するなら、あなたが食べなさいよ！」

葉青は怒りが収まらず、ウェイターの手から残り物の皿を奪い取り、その発言した女子学生の前に投げつけた。皿がぶつかる音が響き、スープが飛び散って、周りの数人の学生の顔や服にもかかってしまった。

葉青は行動を起こした後、少し後悔したが、あまりにも腹が立っていて、一度言ってしまった言葉は取り返しがつかない。それに、彼女は元々面子を重んじる性格だったので、無意識に顔を横に向け、まだ怒った表情のままだった。

みんなはこの時、落ち着いていられなかった。葉青が景雲昭に腹を立てるのはまだしも、なぜその怒りを彼らにぶつける必要があるのか？！

確かに彼らは葉青の料理を食べたが、それは葉青が自ら誘ったことで、彼女の誕生日を祝うためだったのに。

結局、良い物も食べられず、かえって迷惑を被ることになった！

「それは度が過ぎてるよ！学習委員だからって偉そうにしてるの？少なくとも景雲昭は君みたいにクラスメートを見下して虐めたりしないよ！すぐに謝るべきだよ。さもないと、これからはクラスであなたなんていないものとして扱うからね！」男子学生が怒りながら立ち上がって言った。