第89章 恩義

喬尉民は正々堂々と、まるで景雲昭を育てるために大変な苦労をしたかのように振る舞い、その真摯な様子は確かに人を威圧するものがあった。

「私の学費を出したって？いいでしょう、じゃあ数えてみましょう。いつ私の学費を払ったんですか？八九年前だなんて言わないでくださいよ！」景雲昭は目に笑みを浮かべながら尋ねた。

喬尉民は一瞬戸惑い、反論しようとしたが、景雲昭が小学校に入学した最初の三年間以外は、彼女の面倒を見ていなかったことに突然気付いた。

「それでも育てたじゃないか！」喬尉民は自分が間違っているとは思わず、少し間を置いて続けた。「たとえ水一杯、飯一膳でも、恩義というものだろう？」

「そうですか、それも恩義というんですね。」景雲昭は口角を少し上げ、目尻には何とも言えない意味が込められていた。

「そうであれば、私も本音を話させていただきます……私の記憶が正しければ、字も書けない頃から洗濯や料理ができるようになり、覚えた日から喬家を出るまでずっと続けていました。これらの年月、うまくできなければ叩かれ、できても当たり前。ある年、喬紅葉の好きな花柄のスカートを洗濯で傷めてしまい、あなたはバルコニーで一晩中正座させ、私は熱を出して気を失い、あなたは冷水を浴びせかけて目を覚まさせ、一週間も病気になりました。近所の人が内緒で薬を持ってきてくれなければ、今生きているかどうかも分かりません。」

「正確に言えば、あなたは私を九年間養い、そのうち三年分の学費を払いました。でも私は喬家で十年近く家政婦のように働き、十数年間も殴られ罵られ、ほとんど満足に食事もできませんでした。そうそう、まだ言い忘れたことがあります……」

景雲昭は塵のように淡々とした声で言った。「私の体にはまだ傷跡が残っているはずですが、昔の児童虐待で訴えることはできるでしょうか？」

喬尉民と葉琴は以前、体面を気にして、他人の噂を恐れていたので、大抵は数分で治る軽い外傷だけにとどめていた。

しかし、幼い頃の彼女は反抗的で、何度か騒ぎを起こし、喬尉民の怒りを買い、腕にタバコの火傷の跡をつけられ、また足を蹴られて膝一面にガラスの破片を食い込ませられたこともあった。

今でも、これらの傷跡は目を覆いたくなるほどだった。

このことを指摘されて、喬尉民の顔色も変わった。