甘松柏はこの徐お爺さんに対して敬意を抱いており、同年齢の徐師匠について尋ねたこともあった。
しかし、彼の知識は限られており、この人物が徐鏡之という名前で、変わった性格で有名で、県内の人里離れた路地に住んでいることしか知らなかった。この人は決して金に困っているわけではないのに、わざわざ不便な場所に住居を構えているところを見ると、賑やかなのが好きではないようだ。
この徐鏡之は製薬の達人、というよりむしろ製薬狂人で、徐行淵という弟子以外には誰も側にいなかった。
「徐さん、薬材を見分けさせようというのですか?」甘松柏が徐鏡之を観察している時、劉部長が笑顔で駆け寄って尋ねた。
徐お爺さんは眉をひそめ、「香りで薬を識別する。始めなさい」と言った。
「えっ?」劉部長は呆然とした。どういうことだ?香りで見分けるだって?そんな必要があるのか……