第195章 勝負(3)

甘松柏はこの徐お爺さんに対して敬意を抱いており、同年齢の徐師匠について尋ねたこともあった。

しかし、彼の知識は限られており、この人物が徐鏡之という名前で、変わった性格で有名で、県内の人里離れた路地に住んでいることしか知らなかった。この人は決して金に困っているわけではないのに、わざわざ不便な場所に住居を構えているところを見ると、賑やかなのが好きではないようだ。

この徐鏡之は製薬の達人、というよりむしろ製薬狂人で、徐行淵という弟子以外には誰も側にいなかった。

「徐さん、薬材を見分けさせようというのですか?」甘松柏が徐鏡之を観察している時、劉部長が笑顔で駆け寄って尋ねた。

徐お爺さんは眉をひそめ、「香りで薬を識別する。始めなさい」と言った。

「えっ?」劉部長は呆然とした。どういうことだ?香りで見分けるだって?そんな必要があるのか……