第196章 勝負(4)

会議室の大きなテーブルの上には、様々な薬材が所狭しと並べられていた。十種類の薬材だけでも多いのに、それぞれの薬材に偽物が何個もあり、一目見ただけでは本物と偽物がほとんど見分けがつかないほどだった。

彼らは景雲昭の前回の素早い対応から立ち直る間もなく、目の前のこれらのものに驚きのあまり呆然としていた。

外の何も分からない看護師や患者の家族はもちろん、劉部長でさえ、心臓が震えるのを感じた。

二択なら受け入れられるし、自信もあったが、今回のこれは、少し難しすぎるのではないか?

例えばこの天麻は、なんと七つの選択肢がある!こんな短時間で誰が見分けられるというのか?

「何か問題でも?」徐鏡之は相変わらず冷たく、周りの人々の驚きなど見えないかのように言った。彼にとって、薬材の真贋を見分けることは基本中の基本で、これくらいのことも分からないのなら、その人は薬材から遠ざかった方がいい、後で偽薬で人を害することになるからだ。

「あの...徐さん、各薬材の選択肢を減らすことはできないのでしょうか?」劉部長は口をとがらせ、不満げに尋ねた。

彼の本意は景雲昭と甘松柏に恥をかかせることだったが、徐鏡之がこんなに難しい問題を出したら、自分も同じように不利になるではないか?

そうなら、この勝負を受けた意味は何だったのか?

「選択肢を減らす?」徐さんは冷笑し、人を殺すような目つきで彼を睨みつけた。「それなら私が本物を選んでやった方がいいんじゃないか!勝負できないなら負けを認めて出て行け!」

劉部長は言葉に詰まり、息が詰まりそうになった。

このお爺さんの気性が荒いのは知っていたが、こんなにも面子を立ててくれないとは思わなかった。これだけの人の前で叱責されるとは。

「景雲昭、まだ始めないのか?間違えたら二度と私に会う必要もない。老夫は無能な者とは付き合わん。」徐お爺さんは景雲昭にも同じように厳しかった。

しかしそう言いながらも、甘松柏は明らかに徐鏡之の目に誇りが宿っているのを感じ取った。徐鏡之は景雲昭を決して無能だとは思っておらず、むしろ彼女の実力をよく理解していたからこそ、こんなにも遠慮なく話せるのだと。

これは不思議だった。

もしかして景雲昭の背後にいる謎の師匠とは、この徐鏡之なのではないか?