第194章 勝負(二)

外の群衆は即座にその凄腕の人物のために道を開け、景雲昭が振り向くと、顔に驚きの色が浮かんだ。

来た人は見知らぬ人ではなく、まさに徐伯父さんというあの変わり者のお爺さんで、その後ろには弟子の行淵おじさんが付いていた。

二人が現れると、明らかに部屋の中の医師たちの表情は厳しく、敬意を込めた様子だった。

劉部長は急いで近寄り、顔には媚びと丁寧さを混ぜた表情を浮かべた。「徐さん、まさかご自身でいらっしゃるとは!本当にありがとうございます!」

劉部長は今、驚きと喜びが入り混じった気持ちだった。この徐伯父さんは非常に謎めいた人物で、地元の人間ではないと聞いている。突然華寧県に現れ、とても控えめな人柄だったが、彼が来てからは医療界の多くの大物が特別に訪れるようになり、その影響力は絶大だと言われている。さらに、彼の製薬能力は比類なく、県内の複数の病院が彼の調合した薬材を購入しているほどだ。

祖父は早くから彼に、この徐伯父さんを絶対に怒らせてはいけない、さもないと面倒なことになると言い聞かせており、彼はずっとそれを覚えていた。

そのため、このお爺さんと彼の弟子が来るたびに、彼は特別に時間を作って付き添うようにしていた。しかし残念なことに、このお爺さんは気難しく、彼に対して素っ気なく、非常に厳格だった。

さっきまでは、このお爺さんの弟子に来てもらって場を持たせようと考えていただけだったのに、まさか徐伯父さんも一緒に来てくれるとは、本当に予想外の喜びだった!

この時、徐お爺さんは劉部長の挨拶を聞いていないかのように、直接歩み寄り、景雲昭を一瞥して言った。「お前は本当に騒ぎを起こすのが上手だな。」

景雲昭は困ったように言った。「徐伯父さん、行淵おじさん、どうしてここに?」

この言葉を聞いた途端、劉部長の表情は硬くなった。この生意気な娘が徐さんを知っているというのか?

「目の利かない娘が劉部長に挑戦したと聞いて、わしはお前のことを思い出して、見に来てみたら、やはりそうだった。」徐伯父さんは全く遠慮なく答えた。

劉部長は唾を飲み込んだ。

彼が徐行淵に電話をして呼んだ時、この景雲昭のことを、目の利かない、自惚れた娘だと言及したが、この徐お爺さまの様子を見ると、その時の話を全部聞いていたのだろうか?