三人が近づくと、中から年配の男性が怒鳴る声が聞こえてきた。
「お前!お前は働きに来たのか?私から見れば、邪魔しに来たとしか思えん!私が少しの間離れただけで、患者とでたらめを話すだけでなく、勝手に薬を処方するとは!私が薬を処方しろと言ったか?お前に今、薬を処方する資格があるのか?漢方薬の名前も全部わからないくせに、よくもそんなことができたものだ!」
この言葉を聞いて、三人は急いで中に入った。
景雲昭はこの漢方医を知っていた。彼は甘祖父の師弟で、医術はなかなかのものだった。普段は診療所で診察をしており、この近辺では評判も良かった。
「陳お爺さん、どうされたんですか?」蘇楚はすぐに駆け寄り、丁寧に言った。「まずは落ち着いてください。何かあったらゆっくりお話しください。」
この医師は深いため息をつき、振り向くと景雲昭を見て、表情が少し和らいだ。「雲昭ちゃんも来たのか?」
景雲昭は毎月、旦那さんと一緒に往診に行くことがあり、時にはここに来て患者を診ることもあったので、彼は景雲昭にとても良い印象を持っていた。
「陳お爺さん」景雲昭が声をかけ、それから頭を上げられず、ぽろぽろと涙を流している従姉妹の方を見た。
しかし目が合うと、表情が一瞬こわばった。
咳払いをして、顔をそむけ、言葉もなく溜息をついた。
この人が清ちゃん以外の誰であろうか?ただし今は品のある服装に着替えており、以前クラブハウスにいた時のような露出の多い服装ではなかった。彼女は地面を見つめたまま、来客を見ることもなく、ただ委屈そうな様子だった。
「陳お爺さん、一体何があったんですか?」蘇楚が再び尋ねた。
彼女の従姉妹は大人しそうに見えたし、陳お爺さんは何十年も変わらず寛容で温和な人で、彼女の祖父よりも気性が良かった。国医に興味を持つ多くの人々がわざわざ彼に学びに来ていたが、誰に対しても常に忍耐強く接していた……
その陳お爺さんは甘旦那さんより年下で、弥勒菩薩のような見た目で、普段は話さないときでも、慈悲深い笑顔を浮かべているのだが、今は怒りで跳び上がらんばかりだった。