第485話 サボろう～

蕭海清は一瞬呆然としたまま、まだ反応できないうちに、他の数人の生徒たちも彼女に頼みごとをしてきて、その表情は一瞬複雑になった。

こんな風に普通の目で見られる日が来るとは思ってもみなかった。もう嫌悪や恐怖、驚きの目で見られることはなくなった。

ただ、このクラスメートたちの記憶力は少し短すぎるのではないだろうか？

景雲昭は蕭海清の戸惑った様子を見て、思わず笑みを浮かべた。

「雲昭？」蕭海清は苦笑いしながら、みんなを見渡して言った。「せっかく私に存在感が出てきたんだから、私の面子を立てて少し頑張ってみせてくれるの？」

景雲昭はため息をつき、仕方なく頷いた。

「実は偶然だったんです。ちょうど子供を失くした両親と一緒にいて、探し回っているのを見たから手伝っただけで。まさか犯人を見つけることになるとは思わなくて、見過ごすわけにもいかなくて……」

「うんうん！」みんなが頷き、その顔には「それで？」という文字が書かれているかのようだった。

「犯人たちが服を着替えて、子供の格好も変えてから車に乗るのを見かけたんです。その時は人が多くて、タクシーだと見失う可能性が高かったので、覚悟を決めて追いかけるしかなくて……」

景雲昭が話し続けると、周りの生徒だけでなく、クラス全体が静かになり、みんな明らかに聞き入っていた。

景雲昭が話し終えると、彼女の肘の傷跡を見たがる人まで現れ、みんな心からの慰問の言葉を述べた。

このようにみんなでワイワイ騒いだ後、蕭海清にも関心が向けられ始め、以前の事故のことについて尋ね始めた。当時みんなは蕭海清が殺人で逮捕されたことだけを知っていて、みな恐れおののき、単なる事故がどうして蕭海清をこれほど凶暴にさせたのか理解できなかった。

しかし今、彼らは見知らぬ人のために危険を顧みない「善人」である景雲昭と、彼女と仲の良い蕭海清も悪い人のはずがないと気づき、そこで初めて理由を尋ねたのだった。

ただ、蕭海清の答えは、全員を非常に驚かせた。

みんなはそれが単なる事故だと思っていたが、実はあの二人の運転手が雇われた殺し屋だったとは誰も想像していなかった！

瞬く間に、みんなの蕭海清を見る目が変わった。同情や心配、さらには敬意さえ込められていた。

午前中いっぱい、景雲昭と蕭海清はほとんどみんなの熱心な関心の中で過ごした。