第508章 妖女

その女性の一言で、診療所の院長は泣きたい気持ちになった。こんなにいい診療所が、どうして売春窟になってしまったのか……

景雲昭を見て言った。「お嬢さん、人を困らせすぎじゃないかい?」

「私のせいじゃありませんよ。みんな知る権利があるでしょう?それに、ここは診療所で、人の命に関わる場所です。手技が間違っていたり、能力が不足していたりすれば、人命に関わる事態になりかねません。鐘清が帝享龍庭で風俗嬢をしていたことは事実ですが、それはさておき、彼女にはそもそも資格がありません。先日、私の親戚の国医診療所で働いていた時、薬材を七、八種類も取り違えました。早期発見できて良かったものの、もし間違った薬を調合していたら、その結果は想像に難くありません」と景雲昭は直接的に言った。

その声は力強く、眼差しは確固としていて、嘘をついているようには見えなかった。

「王さん、うちの家族は頭痛や熱が出たときはいつもあなたにお世話になってるんですよ。こんな危険な人を雇うなんて、これからはもう来られませんね……」

「そうですよ。さっきの注射の打ち方なんて、ひどいものでした。横で見ていても痛そうでしたよ。名門大学卒業だなんて、誰が信じますか。大学では surely そういうことも教えているはずでしょう?彼女のような人が卒業できるわけないじゃないですか?」

「ふん、昨日来た時に無駄に注射を打たれて、痛くて少し文句を言ったら、まるで私が大罪でも犯したかのような態度をとられました。体調が悪いのに、あの人にまで嫌な思いをさせられるなんて、どういうことですか?」

……

すると、点滴を受けている患者たちも我慢できなくなり、次々と口を開いた。

医師はそれを見て、急いで奥に行き、鐘清の私物を持ってきて彼女の手に押し付けると、二言目には「鐘清さん、お願いだから、もうここで働かないでください。この数日間、何の助けにもならなかったどころか、たくさんの問題を起こしました。もう追及はしませんから、百元あげますので、帰ってください。あなたを雇う余裕はありません……」と言って、強制的に彼女を外に押し出そうとした。

以前は、彼女が綺麗だから置いておいても目の保養になるし、あの容姿なら子供たちとも仲良くできるだろうと考えていたのに、まさかこんなことになるとは。