第36章:「中でも私のことを黒川さんと呼ぶの?」

「働いているのに、まだお金を要求するの?」と坂本お母さんは彼を睨みつけた。

「働いているからどうしたの?」坂本真理子は顎を上げて言った。「彼女は結婚もしているじゃないか!嫁に行った娘は捨てた水も同然、旦那のお金を使わずに、まだ実家に頼るなんて!」

坂本加奈は振り向いて彼を睨みつけた。どうして火の粉が自分に飛んでくるのか、他人は知らなくても、彼は知っているはずなのに。

「結婚しても私の娘だ。親父の金は誰にやろうと勝手だ、お前に文句を言う権利はない!」と坂本のお父さんは正論を述べた。「それに、お前はいつも遊び呆けて、スポーツカーで乗り回して迷惑ばかりかけて!」

「お金をくれないだけでなく、私のことまで責めるなんて」坂本真理子は哀れっぽく坂本おばあさまを見つめた。「おばあちゃん、孫のために何とかしてよ!」