スタッフは、このような状況を何度も見てきたため、慣れた様子で優しく言った。「もう閉店時間なので、早く中に入ってください。何か問題があれば、インターホンで連絡できますから」
全員が同時に振り返り、入り口で一歩も動かない坂本真理子を見た。
坂本真理子は深呼吸をして、気軽な様子を装って言った。「ホラーな密室脱出ゲームなんて、何が怖いんだよ。俺は…」
ドアが閉まり、部屋は暗闇に包まれた。部屋の右上角に突然赤い光点が点滅し始めると、坂本真理子は「きゃあ!」と悲鳴を上げ、一番近くにいた人にしがみついた。「お化けだ!!!!」
黒川浩二「……」
坂本加奈「……」
佐藤薫は必死に自分にしがみついている手を振り払いながら、イライラした様子で言った。「あれは監視カメラよ!!密室脱出ゲームやったことないの?」