第125章:恥ずかしいけど、もしかしたら彼は気に入るかも!

黒川浩二の胸が激しく震え、暖かい流れが押し寄せるように感じ、魂が飛び散りそうになった。

喉仏が震え、薄い唇が何度か開閉し、低くゆっくりとした声で「僕もだ」と言った。

私はあなたが好き、そしてあなたの好きという気持ちも私の心を喜ばせる。

坂本加奈は彼の胸に寄りかかってすぐに眠りについた。映画の音が大きかったため、また一度、彼女への感情の応答を聞き逃してしまった。

……

坂本加奈の風邪がようやく良くなり、黒川浩二は彼女を学校に行かせ、自身も会社の仕事に戻った。

ある学生が退学したという噂があった。具体的な理由は不明だが、坂本加奈にはおおよその見当がついた。

林波留を助ける人がいなければ、自分と高橋先生は部屋に閉じ込められることはなかったはず。高橋先生がどうやって犯人を知ったのかは、考えたくもなかったし、考えもしなかった。