第375章：全資産

白川櫻が女子刑務所に入れられた二日目、坂本加奈は面会を申請した。

ガラス越しに、白川櫻は囚人服を着て、胸には番号が貼られ、長い髪は耳まで切られていた。化粧もなく、まるで十歳も年を取ったように見え、陰気な目つきで坂本加奈を見つめながら、かすれた声で不気味に尋ねた。「法廷での私の醜態がまだ足りなかったの？ここまで見に来るなんて？」

「今や私は牢獄に閉じ込められているのに、まだ満足できないの？この屈辱に耐えられずに死ぬところが見たいの？安心して、絶対に死なないわ。生きて、毎日毎晩あなたたちが早く地獄に落ちることを呪い続けてやる！」

坂本加奈は彼女の反応に少しも驚かなかった。長年、彼女は自分本位で、とても利己的に生きてきたのだから！

「今日来たのは、あなたの醜態を見るためじゃないわ。そもそもあなたには、私が時間を無駄にしてまで見る価値のある醜態なんてないわ。」

白川櫻は冷ややかに笑った。「じゃあ、何しに来たの？」

「ある真実を、あなたに知っておいてもらいたいと思って。」坂本加奈は静かに答えた。

「どんな真実？」

坂本加奈は答える代わりに、携帯を取り出してあの日撮影した動画を再生した。

白川櫻は映像の中の深木真理子を見て一瞬固まり、彼らの会話を聞くにつれて瞳孔が開いていき、表情が徐々に崩れていった。制御を失って叫び出した。「違う！そんなはずない！嘘よ、これは全部偽物...」

彼女は興奮して立ち上がり、両手で机を叩き続け、指が赤くなっても痛みを感じないかのようだった。

刑務官は冷たい声で警告した。「座って、静かにしなさい！！」

白川櫻は刑務官に椅子に押し付けられ、何とか感情を抑えた。

坂本加奈は携帯をしまい、落ち着いた表情で言った。「あなたはもうここにいるのよ。私があなたを騙すために苦心する必要なんてあるの？」

白川櫻はまだ首を振っていた。「信じない。あなたの言葉は一言も信じないわ。」

「好きにすれば！」坂本加奈は薄紅の唇を軽く曲げ、澄んだ瞳には同情の色が満ちていた。「あなたは黒川家の人が嫌いだから、浩二が小さい頃におじいさんに引き取られて育てられた時から、もう近づこうとしなかった！

でも彼らは確かにあなたの実の子なのに、あなたは偏って美月だけを愛して、浩二には少しも愛情を分けようとしなかった！彼が何も悪いことをしていないのに！」