第400章:関与するな

中谷仁は立ち上がり、上着を手に取って着ながら、袖を整えつつ、淡々と言った。「女の子の友情は不思議なもので、時には金城鉄壁のように強く、時には薄紙のように脆い。一滴の水でも壊れてしまう。彼女は妹の親友だ。君は人前で彼女たちの信頼関係を壊し、佐藤薫を傷つけただけでなく、妹とこの友情も傷つけた」

言うべきことを言い終えると、中谷仁は颯爽と立ち去った。

薄田正は考え込んで、「彼の言うことにも一理あるな」と呟いた。

坂本真理子は苛立たしげな表情で「出て行け」と言い、立ち上がって去った。

薄田正は後になって気づき、「くそっ!せっかく設定した場も台無しにしやがって、坂本真理子のバカ!」

……

坂本加奈が追いかけて出た時には、すでに佐藤薫の姿は見えなくなっていた。通りを探し回ったが見つからなかった。