第414章:まずは新婚旅行

昼食時、黒川浩二と坂本加奈は坂本家で食事をし、食事後は月見荘に戻って荷物の整理をし、田舎での新婚旅行の準備をしていた。

坂本加奈は田舎には虫が多いと心配で、特に管理人に虫除けスプレーを多めに持ってくるように頼んだ。

黒川浩二は突然森口花から電話を受け、書斎で会社の用事を処理することになった。

坂本加奈は進んで彼の服や荷物の整理を手伝い、彼のベッドサイドの引き出しを開けると一つの瓶を見つけ、興味深そうに取り出して見てみた。

長くカールした睫毛が激しく震え、つぶやいた:「安定剤……」

この薬は彼女にとってとても馴染みがあった。以前はよく服用していたが、回復してからは一度も飲んでいない。これは自分のものではなく、つまり——

指先が空を切り、薬は誰かに取り上げられた。

坂本加奈が顔を上げると、黒川浩二の深刻な表情が目に入った。乾いた唇を噛みながら、「浩二……」