第513話：彼らが君を見捨てても、僕は君が欲しい

佐藤のお父さんが亡くなって七日目に、佐藤のお母さんは急性心筋梗塞で突然亡くなった。

病院に向かう途中で息を引き取り、佐藤薫は...その場で気を失った。

目が覚めたのは病院の病室で、佐藤薫は起き上がるなりお母さんを探そうとした。

坂本真理子は彼女を押さえつけ、声を詰まらせながら「薫、お母さんはもういないんだ」と言った。

佐藤薫は数秒間呆然とし、首を振り続けた。「そんなはずない、お母さんは大丈夫、ただ悲しくて気を失っただけ。休めば良くなるわ。私まだたくさんの可愛いドレスを買ってあげてないのに...」

彼女は坂本真理子の手を振り払い、靴も履かずに素足で外へ走り出した。

ドアまで行く前に坂本真理子に後ろから抱きとめられた。彼の両腕はまるでセメントのように強固で、佐藤薫を拘束していた。