黒川詩織は息を呑み、心臓が何度も跳ねそうになった。歯で薄紅色の唇を軽く噛み、ゆっくりと頭を下げた。
森口花は彼女が恥ずかしがっているのを知っていて、頭を下げて唇が彼女の耳にほぼ触れそうになった。
「詩織、昨夜は僕を気持ちよくしてくれたね。僕も詩織を気持ちよくさせられたかな?」
黒川詩織は頭を布団に埋めそうになった。「もう言わないで……」
森口花は喉から愉悦の笑みを漏らし、手を伸ばして彼女を抱きしめ、愛おしそうに頬にキスをした。「詩織、やっと僕のものになったね」
完全に彼のもの、正式な森口奥様として。
黒川詩織は心の中で後悔していた。酔った勢いで体を許してしまい、彼の言葉に気付かなかったことを。
昨夜が終わった後、森口花は簡単に彼女の体を拭いただけだったので、朝になって黒川詩織はシャワーを浴びたかった。