ジェスリンは目を開けると、視界を遮るものがあることに気づいた。顔から取り除くと、ゆっくりと起き上がった。布を持ち上げてみると、それは白いタオルだった。
額に触れてみたが、熱はなく、不快感もなかった。なぜ濡れタオルが額に置かれていたのか不思議に思いながら、ベッドから降りると、めまいが襲ってきた。
ふらつき、すぐにベッドを支えにした。
「ちっ、私、どうしたんだろう?」
独り言を呟きながら、ゆっくりと立ち上がって少し様子を見た。転ばずに歩けそうだと感じると、タオルを持って浴室へ向かい、タオルを広げて身支度を整えた。
部屋に戻ると、ドアの前にトレイを持ったメイドが立っていた。トレイの上には密閉された料理が並んでいた。
「こんばんは、お嬢様。主人様が、お食事はお部屋にお持ちするようにとおっしゃいました」とメイドは頭を下げながら言った。