フィン-2つの組織

国中の強者たちが集まる場所を探しているなら、ここが正解だ。「酔金街」。国内の大物たちがここに集まるのも当然のことだった。しかし、今入ってきたこの男は、こんな場所にいるべき人物ではなかった。

「マーヴ、久しぶりだな」

マーベリックとほぼ同年齢の男が、ハンサムな顔に笑みを浮かべながら空間に入ってきた。両手をズボンのポケットに入れ、その明るい表情からは何の問題も抱えていないように見えた。

「フィン警部」と、行く手を阻まれたビジネスマンは軽く頭を下げて挨拶した。

犯罪世界にマーベリックのような存在がいるなら、法の側にはフィン警部がいる。フィンと犯罪者の両方が生きている限り、何年かかろうとも獲物を追い詰める男だ。

犯罪者を直接捕まえられない場合、フィン警部は偽の証拠を仕掛けて逮捕し、自白するまで徹底的に拷問を加えるのだった。