村上隊長のこの言葉に、上司は少し戸惑った。
木村弁護士もはっとして、状況が少しおかしいのではないかと感じた。
沢井恭子は落ち着いていて、ただ淡々と言った。「遺体を見せてください。」
「問題ありません。」
村上隊長は自ら一行を遺体安置室へ案内し、入り口の前で振り返って、一緒に入ろうとする上司と木村弁護士に言った。「外でお待ちください。」
「……」
二人は沢井恭子と村上隊長が遺体安置室に入っていくのを、ただ見つめることしかできなかった。
外で、上司は我慢できずに村上隊長の部下に尋ねた。「あの若い女性は、村上隊長と知り合いなのか?」
自分は聞き間違えたのだろうか?
村上隊長は今年もう四十代なのに、若い女性に対して「あなた様」と呼ぶなんて?
部下も頭を掻きながら「分かりません!」