第276章 ステージへ!

まるで方雄のその言葉を証明するかのように、受付のBGMが突然激しくなり、彼の狂気に合わせて、知らない人が見たら、彼こそが裏切られた少年だと思うほどだった。

しかし今の彼は、五十嵐孝雄の目には単なる笑い者でしかなかった。

方雄がまた何か言おうとしたとき、傍にいた民族音楽学科の学生が我慢できなくなった。「方雄、お前本当に面白いな?温井琴美に捨てられたのに、彼女を責めるどころか、なぜ五十嵐孝雄さんに怒りをぶつけるんだ?」

「そうだよ、裏切った人間に被害者の前で威張る資格なんてないでしょう?」

「……」

みんなが彼を非難し、方雄はますます怒りと悔しさを募らせた。

裏切りという言葉が、まるで恥辱の十字架のように感じられた!彼はそこにしっかりと釘付けにされたのだ!

自分だけが非難されるわけにはいかない……