第271章 お祖父さん

書斎は散らかり放題だった。

沢井恭子は近寄って座り、まず佐藤翔太の頭を撫でた。「疲れた?」

佐藤翔太は即座に微笑んで答えた。「ママ、全然疲れてないよ!」

ママと一緒にいられて、ママに褒められて、頭を撫でてもらえるだけで、すぐに元気が出てくるんだ!

佐藤和利は口を尖らせた。「お世辞屋め!」

沢井恭子は鋭い視線を投げかけた。

佐藤和利はすぐに横で座っている初瀬愛の方を見て、「ママ、犬を叱ってるだけだよ!」

初瀬愛は即座に応えた。「ワン!」

沢井恭子は「……」

彼女は放っておいて、本をめくりながら一緒に探し続けた。

さらに50冊の本を探し終えると、佐藤和利はため息をつきながら立ち上がった。「もう探すのやめた!」

沢井千惠は少し驚いて「お金はいいの?」

佐藤和利は言った。「時間の無駄だよ。50冊探すのに1時間もかかるんだ。その時間があれば、もっと騙し...稼げるのに!」