第350章 2人の老いたいたずら者

写真は誰かが盗撮したものだろう。

少女は素顔で、冷たい桃色の瞳には少し傲慢さが漂い、軽く結んだ唇から、手強い相手だと一目で分かった。

あの顔なら、芸能人になれるはずだ!

芸能人……

沢井康正は突然、浦和音楽学院での公演を思い出した。

彼女は本田葵だ!

沢井康正の瞳が一瞬光った。

本田葵が沢井恭子?佐藤大輝の妻?

沢井康正は眉をひそめた。「佐藤大輝が結婚したとは聞いていなかったが。」

沢井中はその言葉に驚いて言った。「結婚はしていませんが、二人は婚前出産で、結婚したも同然です……いえ、大伯父様、今の重要なのはそれではなく、彩芽をいじめたことです!彩芽の仕返しをしてくださらないのですか?」

沢井康正は冷ややかに彼を見た。「どうやって仕返しをすればいいというのだ?」

沢井中はすぐに答えた。「これらの問題は、実は白井家の本家と四番目の分家の争いから始まったものです。首謀者は必ず追及しなければなりません。佐藤家を京都から追い出せばいいのです。白井家については、分家させて四番目の家を分離させましょう!孝志の嫡長孫の継承者としての地位を確定させれば、彩芽の足の件は、水に流しましょう。」