ドレス

二見奈津子は頷いて言った。「才能のある人だね!誰が想像したのか分かれば、引き抜いて脚本を書かせたいものだ。」

藤原美月は口を尖らせた。「私はゴミ拾いじゃないわよ。こんなレベルのデマを流す人なんて、引き抜く価値もないわ。」

二見奈津子はペンを回しながら尋ねた。「森永さんへのプレゼントは決まった?」

藤原美月が答える前に、二見奈津子は続けた。「私の前に描いた絵を贈るのはどう?」

「いいわね、もちろんいいわ!森永さんはきっと大喜びよ!今すぐ表装に出してくるわ!」藤原美月は風のように去っていった。

森永さんは芸能界で非常に影響力のある人物だった。若い頃に監督した作品は今でも超えられておらず、その後は裏方に回り、業界での人脈も広く、経験も豊富で、出身も良く、財力もある、芸能界で誰もが取り入りたい存在だった。