095 告白

奈津子は彼の機嫌がよさそうなのを見て、遠慮なくポケットからペロペロキャンディーを取り出し、包み紙を剥がして、一つを自分の口に入れ、もう一つを和利に差し出した。

和利は目の端で近くにフラッシュが光るのを見つけ、堂々とペロペロキャンディーを口に含んだ。

「美味しい?」奈津子が尋ねた。

和利は頷いた。

「晴子さんのおすすめのお菓子は、はずれがないのよ」和利はそこで初めて、これが藤原美月のおすすめだと知った。

「女の子はみんなお菓子が好きなの?」和利が尋ねた。

奈津子は首を振った。「わからないわ。私たちがお菓子を食べるのは、インスピレーションのため、眠気覚ましのため。昔、晴子さんはタバコも吸ってたけど、彼女の理想の人に出会ってから、やめたの。あの人が彼女にもたらした唯一の良いことは、タバコ中毒にならなかったことね」