「お母さん、さっきまで気にしないって言ってたじゃない」佐々木和利は母親のダブルスタンダードを感じた。
坂元慶子は「それは別の話よ、毒を以て毒を制するのよ」と言った。
二見奈津子は笑って「お母さん、理恵ちゃんのファンクラブについて知りたくない?」と尋ねた。
「ファンクラブって何?」坂元慶子は聞いたことがなかった。
「ファンの組織よ」と二見奈津子は説明した。
「理恵のファン?」
「うん」
「彼女にはたくさんファンがいるの?」坂元慶子は少し慎重に尋ねた。
「まあ、結構いるわね」と二見奈津子は笑って答えた。
「じゃあ、どうやって知ることができるの?」と坂元慶子は尋ねた。
「明日時間があれば、藤原美月さんを紹介しますので、彼女に案内してもらいましょう」二見奈津子は最適な人選を思いついた。