156 分担作業

美咲は二見奈津子と相田百合の料理を心配して言った。「私も残って野菜を洗うのを手伝おうか?」

木村智也は笑って言った。「佐々木取締役も野菜を摘みに行くのに、あなたが行かないわけにはいかないでしょう?」

美咲は仕方なく溜息をつき、「和利さん、あなたも残って野菜を洗うのはどう?」

佐々木和利は慌てて手を振った。「いや、いや、奈津子が料理するときは私が邪魔だと言うから、私はできることをやりに行くよ。」

皆は二見奈津子が本当に料理をしたことがあるとは思わなかったが、まあ、夫婦二人で簡単な料理を作る程度だろうと考え、深く考えなかった。

二見華子は二見奈津子たちを見て非常に驚いた。谷口安子が事前に知らせなかったということは、谷口安子自身も知らなかったということだ。まさか制作陣が視聴者の意見を本当に聞き入れるとは。

二見華子は心の準備ができておらず、防衛的に急いでか弱そうな表情を装って、「妹、和利お兄さん、どうしてここに?」

佐々木和利は何も言わなかった。

二見奈津子は冷淡に言った。「理恵が問題を起こしていないか見に来たの。」そう言うと目を逸らし、これ以上話したくない様子だった。

二見華子の目が再び赤くなり、小さな声で言った。「あなたは理恵のことをとても大切にしているのね。」

その委屈そうな表情は、誰が見ても二見奈津子がこの血のつながりのない姉をひどく扱い、散々苦労させているのだと分かるようなものだった。

相田百合はもう見るのも嫌になり、急かした。「早く行かないと、お昼の日差しが強くなりますよ。日焼けに気をつけて!」

二見華子は慌てて部屋に戻り日焼け止めスプレーを取りに行き、一行はようやく出発した。

二見華子は佐々木和利の隣を歩きながら、心臓が激しく鼓動し、話題を探して言った。「和利お兄さん、どうしてこんな番組に時間を割けるの?あなたのイメージに影響があるんじゃない?」

佐々木和利は眉をひそめ、叫んだ。「理恵!歩くときは気をつけなさい!」

佐々木理恵が振り返ると、和利の隣で彼を慕うような表情で見つめる二見華子の姿が目に入り、小さく溜息をついた。「本当に面倒な人ね。」

彼女は嬉しそうに走り戻り、二見華子を押しのけて佐々木和利の腕に手を回し、「おじいちゃん、私がお供しましょうか?」と言った。