228 好意を示す

「お義姉さん?奈津子?」関口孝志は嬉しそうに足を止めた。

隣で腕を組んでいた林千代がようやく二人に気付いた。

向井輝は笑って言った。「まあ、婚約者と一緒に買い物に付き合ってくれる良い男性がいるなんて。林さん、もっと付き合ってもらうべきよ。結婚したら、こんな待遇はなくなっちゃうかもしれないわよ!」

関口孝志は少し照れくさそうに笑って言った。「兄さんと和利さんは忙しすぎるから。今日は丁度暇だったので、母の誕生日プレゼントを選びに付き添ってきたんです。」

林千代が何か言う前に、関口孝志は彼女の腕を解き、「ちょうどいいや、女性同士で買い物の話も弾むでしょう。プレゼントも買えたし、僕は先に行きます。好きなものがあったら、僕のカードで買ってください。和利さんと井上さんを探しに行きます。二人が帰ってきたのに、まだ会えてないんです。」