井上邦夫は新鮮なシャンパンローズを花瓶に挿し、花束を整えてから、藤原美月の頭を撫でて、座って彼女の手を握った。
「今日はどう?僕のこと考えてた?今日、花屋で最後の一束のシャンパンローズを手に入れたんだ。本当にラッキーだったよ。花屋のおばさんに毎日シャンパンローズを一束取っておいてもらうようにお願いしたんだ。妻にあげるって言ったら、必ず取っておいてくれるって。私みたいな誠実な良い男は珍しいって言われたよ!」
「美月、褒められちゃったよ。僕がこんなに良い男なんだから、早く目を覚ましてくれないと、他の人に取られちゃうかもしれないよ!」
「美月、きっと君は一人で、自分の世界を旅してるんだろうね。素敵な景色に出会って、帰りたくなくなっちゃったのかな。でも、僕のことを忘れないでね。ここで待ってるから。僕を一人にしないでよ。可哀想だよ!遊び疲れたら、休み終わったら、帰ってきてね。一緒に世界中を旅行しようよ!」